子ども達に投げ方を教える時に何を教えますか?
足の使い方、腰の使い方、腕の使い方など様々な要素があり何から教えて良いのか迷ってしまうと思います。
全身を使って投げるので、全ての動きが大切ですが、今回はテイクバックについてご紹介します。
テイクバックは準備期間
テイクバックとは投球時に足を下ろすと同時に投げる方の手を後方に円を描くように持っていき、ボールが頭の後ろにくるようにする動作のことを言います。
テイクバックは投球動作の一部ですが、投げる意識としては準備期間であります。
テイクバック時から強く投げようと思っていては腕に力が入り、下半身の力が腕に伝わらないので、結果的に球速が落ちてしまいます。
また、腕に力が入るということは可動域が狭くなり、肘・肩の故障につながります。
少年野球においては、テイクバックが取れていないにも関わらず、腕の力で速い球を投げようとするため、野球肘になってしまうことがよくあります。
野球肘の原因は主に、”投げ方が悪い”、”投げすぎ”です。
少年野球では、投手以外は投げすぎというほどボールを投げていないので、投げ方が悪いことが多いです。
投げ方が悪いというのも今回のテイクバックがしっかりと取れていないことが原因の1つです。
テイクバックは2種類
テイクバックは大きく分けて2種類あります。足を下ろし始めると同時に大きく丸を書いてトップに持って来る回転型と、一度ボールを下に下ろしてから、トップまで引き上げてくる引き上げ型です。
回転型は少年野球でオススメ
こちらはジャスティン・バーランダー選手。
足を下ろしながら腕をグルっと回転しながらトップ (耳の後ろの辺り) にボールを持ってきているのがわかります。
回転型は習得がしやすく、少年野球の最初の指導にオススメです。
指導方法は「ラジオ体操の腕振りのように胸の高さからグルっと下に腕を下ろすんだよ」と教えます。
力を加えるのは最初の手を下ろす時の加速時のみで、後は力を入れる必要はなく、ボールと腕の重さで自然に回転してくる感覚です。
不自然にテイクバックで止まってしまったり、ぎこちない動きをしている子には回転型を指導してみると良いでしょう。
球が速くなる引き上げ型
こちらはニューヨーク・ヤンキースの田中将大投手です。
足を下ろし始めると同時に右手を下に下ろします。
足が地面に付く直前に腕を肘から引き上げていきます。
ポイントは肘からです。
肘が下がったままでは腕の回転運動ができないので怪我の原因になってしまいます。
日本のプロ野球では、ほとんどの投手が引き上げ型で、高校野球でも剛速球ピッチャーの殆どが引き上げ型になりました。
引き上げ型が主流になってから平均球速が上がったと言われています。
少年野球でも6年生後半でしたら、挑戦してみるのも有りですが、その時は、シャドウピッチングのようなボールを使わない方法で習得してからボールを使って練習しましょう。
肘を肩のラインまで持ってくる
腕の力を抜いた状態で、肘と同じ高さまで持ってきます。
低学年の子にはこれが難しく、腕が縮こまって肘が低くなってしまいます。
肘が低い状態のテイクバックでは腕の内旋、外旋範囲が狭くなるため、投球時に負担が掛かります。
投球のリリース時には肩、肘、手が一直線になることが理想的なのでテイクバックで肘を肩のラインに持ってくることが必要になってきます。
腕を大きく使う
少年野球では、体の使い方が上手ではないので体を大きく使えません。
まずは体を大きく使うことを覚えるためにもラジオ体操のような動きから投球動作につなげてみることが良いと思います。
上の動画では悪い例として上げられていますが、小学生の肘の故障を防ぐ目的と体の使い方を覚えるための初歩の動作としては良いと思います。
もっと球速を速くしたければ改善していけば良いですし、できるようになってこれば自然と変わってくるものです。
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まためんこのような地面に叩きつける動作がテイクバックを作り、体を大きく使い、腕を振る意味でも有効です。
まとめ
テイクバックでは力を抜くことが重要です。
形を意識しすぎるあまりに力が入ってしまっては意味がありません。
自然な動作の中でテイクバックが取れるようにするには、様々な動作をすることで体の使い方を覚えていくことが近道だと思います。
面子のように、子供たちがやったことのない動作を取り入れていくといいと思います。
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