2020/01/16

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指導者が練習試合でやるべき5つのこと


Dave ChavezによるPixabayからの画像

まだまだ寒いですが、すぐに実践に向けて練習試合を行っていくと思います。

チームごとに練習試合をする目的を持っています。

少年野球ならではの練習試合で気をつけたいポイントがあります。

  • 均等に出場機会を与える
  • 複数ポジションを守らせる
  • 失敗しても怒らない
  • 課題を与える
  • 目標を持たせる

ポイントを順番に説明していきます。

均等に機会を与える

試合になるとどうしても勝ちたくなってしまう。

それはスポーツマンとしては当然のことですし、負けず嫌いの方が成長できます。

しかし、練習試合では話が違います。

練習試合は子ども達の野球レベルを上げるために行います。

公式戦で勝つためにレギュラーとベンチメンバーを区別して出すこともよくありません。

少年野球では中学、高校、大学、社会人と長い野球人生の土台を作っていく期間です。

少年野球で固定ベンチメンバーになってしまっては、先の野球人生は見えてこないでしょう。

競争意識を持たせるために差をつけるのも一つの方法ですが、様々なアプローチでやる気を出させることが大切です。

複数ポジションを守らせる

練習試合では監督もチャレンジすることが必要です。

ポジションを固定すれば1つのポジションは上手になりますが、本当に野球がうまくなったとは言えません。

また、他のポジションを守ることでポジションごとの役割がわかります。

役割が分かれば自分のポジションの動きも変わってくるのです。

複数ポジションを守れると公式戦でも有利になります。

けが人や欠席が出た場合に困ることはなくなります。

また、少年野球では球数を多く投げられないのでピッチャーが多いほど有利になります。

どこでも守れるとピッチャーと次投げる選手を代えるだけなので、交代が簡単になります。

中学、高校ではコンバートは当然のようにあります。

違うポジションを守ることに抵抗がなければ、すんなりとコンバートを受け入れることが出来ます。

失敗しても怒らない

練習試合ではチャレンジすることが大切です。

練習でやったことを練習試合でやってみて初めて公式戦でできるのです。

失敗を恐れてなにもしなければ成長しません。

積極的にチャレンジすることを指導者が促してあげる必要があります。

ただでさえ失敗は怖いのに、更に怒られてはチャレンジすることができなくなります。

失敗したら「次、頑張ろう」と言ってあげてください。

失敗は怖くない、チャレンジしないで成長しないことのほうが怖いのだと教えてあげましょう。


課題を与える

子ども達は試合をすれば、勝つことを目標に頑張るでしょう。

しかし、練習試合では勝つことが目的ではありません。

当然、良い試合をすれば勝てますが、勝つことだけを考えて試合をしては得るものが少なくなってします。

今まで出来ていなかったことや、練習でやってきたこと1つを課題として与えることで、集中的にできるようにします。

課題をクリアすることができれば、これから先もずっとできるでしょう。

クリアできなくても、次に活かせます。

頭を使って野球をする習慣が身につくので、今まで出来なかったけど意識すればできそうな課題を与えてみます。

例えば
  • 牽制のバリエーションを増やしてみる
  • サインプレーをする
  • 投球時に内野手はジャンプする
  • ファーストストライクを打つ
  • 二次リード、オーバーランを大きくする
  • ランナーの飛び出しを積極的に刺しにいく
課題は指導者が考えても良いですし、試合後のミーティングで子ども達に次できるようにしたいことを聞いて、練習→練習試合を行うと良いでしょう。

目標を持たせる。

練習試合では必ず目標を2つ持たせます。

1つ目はホームランを打つや三振を5個奪うなどの結果目標です。

目標を考えるようにするとまず思い浮かぶのが結果目標です。

2つ目は結果目標を達成するためにする行動目標です。

実は、目標を立てる時には行動目標が重要になってくるのです。

結果目標がホームランの場合、行動目標は”力を抜く”や”フルスイング”などの簡単に達成できる目標のことです。

行動目標を一つずつ達成していくと自信にもなりますし、緊張もほぐれてきます。

反対に結果目標を意識しすぎて、達成できないと焦りになります。

目標を達成するにも、試合で良いパフォーマンスを出すにも行動目標が大切です。

言われなくても行動目標を持って試合をできるように練習試合でやっていきたいですね。


終わりに

少年野球では、指導者が子ども達の10年後を考えてあげなければいけません。

今できるからいい、今できないからダメではなく、これからできるようになってもらえるアプローチの仕方を考えるべきです。

野球を通じてそれができるのは監督しかいません。

大切な学童の時間を無駄にしないよう考えていけるとよいですね。


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