2020/02/18

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子どもでもわかる記憶のプロセスの話




今回の記事は、私が小学校高学年の子ども達に”話の聞き方”を教える時にする話の紹介です。

子ども達にする話なので正しい情報よりもイメージのしやすさを大切にしています。


脳には、今まで見たものや聞いたもの、経験したものが全て記憶されていると言われています。

しかし、私達はその一部しか思い出せません。

なぜでしょうか?

それは、どこにあるのかわからなくなっているからです。


※これからする話はイメージの話です。

記憶は頭の中の引き出しに入れてある

頭の中には”引き出し”がたくさんあります。

そして、私達が経験してきたものは全て引き出しの中に自動的に入れられます。

引き出しの中に経験したことを入れる方法は2種類あります。

  1. 自分で場所を選んで入れる
  2. 勝手に入れられる

”自分で場所を選んで入れる”とは話や学んだことを理解している状態で、”勝手に入れられる”は経験はしたけど、よく理解していない状態です。

どこに入れたかがわかるとすぐに取り出せる

自分でどこの引き出しに入れたかを覚えていればすぐに取り出すことが出来るでしょう。

子ども達には「人の目を見て話を聞けば自分で引き出しの場所を選んで入れることが出来る」と話します。

実際に自分で入れる場所を選ぶためには、話や経験したことを過去の経験と関連付けることが必要です。

関連付けをすることで、過去に入れた場所の隣の引き出しにいれることができるのです。

関連付けは”経験したことから過去の記憶を思い出し、他に関連しそうなことを予想すること”です。

話す人を見ていないと、どの引き出しに入ったわからない

話す人を見ていないということは、他の何かを見ているということです。

他の何かを見ていると、聞いている話ではなく他の事を考えてしまいます。

すると、話は耳から聞こえて頭の中まで入ってきますが、どこの引き出しに入ったのかわからなくなってしまいます。

話を聞いた直後にはわかっているつもりでも、1日もすれば見つけ出すことができなくなるのです。


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勉強は引き出し内の整理・整頓作業

予習は引き出しの場所を決める作業で、授業の内容を入れる準備をします。

復習は授業で入れた内容を探し出し、他の事と関連付けして引き出しの場所をすぐに見つけ出せるようにする作業です。

勉強をすることで、頭の中の引き出しが整理・整頓され、記憶を取り出す作業が早くなるのです。

頭の良い人は引き出しの整理・整頓が上手

頭の良い人は話を聞きながら、引き出しの整理・整頓を行い、最初に入れた場所をしっかり把握しています。

そして、”本当に頭の良い人とは、まだ入れていない引き出しに何が入るのかを予想出来る人”です。

まだ経験していないことでも、ある程度予測ができるようになります。

まとめ

イメージの話なので今回の記事をそのまま話しても伝わりません。

私は子ども達と会話をしながら、子ども達のイメージを膨らませていきます。

「頭の中にはたくさん引き出しがあって、聞いたこと見たことは全て引き出しに入っていくんだよ」

「他ごとをしていても引き出しに入るけど、どこに入ったのかはわからないからすぐに忘れるんだよ」

こうやって話すと子供からは疑問や質問が出てくるので、出来る限り答えてあげましょう。

このような話をすると、新しい角度から見た考え方ができるようになります。


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