私達の住んでいる地域の少年野球でも今年度から球数制限が始まります。
1試合1人70球です。
高校野球でも話題になっている球数制限ですが、球数よりも先に制限するべきなのが試合数制限です。
高校野球で言えば過密日程のトーナメントによる連投が問題視されておいり、2週間で500球以上投げることもあります。
終盤になってくると休養日がなくなり、2日で300球なんてこともあります。
少年野球の1試合あたりの投球数の合計は120~150球程度です。
必ず1試合に2人以上投げる必要が出てきます。
試合数制限の必要性
私が住んでいる地域の少年野球では1年間で10個以上の大会をこなし、年間50~60試合を行います。シーズンは3月~10月までの8ヶ月間なので70日で50~60試合を行うので勝ち続ければほぼ毎週土日試合をすることになります。
大会によっては2日で4試合を行う大会もあります。
少年野球では試合を作ることができるピッチャーの数は多くありません。せいぜい2人か3人でしょう。
4人以上いるチームはかなり強いチームだと思います。
過密日程では必ず連投が行われます。
酷ければダブルヘッダーでの連投も考えられます。
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人数の多いチームが有利になる
当然ながらピッチャーが多いチームが有利なルールです。選手が多ければそれだけピッチャーを育てやすいでしょう。
6年生が4人のチームと15人のチームとでは明らかに後者の方がピッチャーを多く出来ます。
チームの戦力差がよりハッキリするルールですし、根本的に子ども達を守ることにはつながらないと考えられます。
球数よりも連投が故障の原因になる
ピッチャーが肩・肘を故障する原因は投げ過ぎと投げ方です。
今回、投げ過ぎを防止するために球数制限が行われますが、連投は禁止されていません。
連投が行われれば簡単に球数が増えてしまいます。
そして、連投の問題点は疲労により可動域が狭くなり、肘が下がってしまうことにあります。
肘が下がると肘に負担が掛かり、肩・肘を故障してしまうのです。
本当に子どもを守るためのアイデア
子ども達を守るためにリーグ戦の導入を提案します。
大会が10個以上もあるので過密日程になってしまいます。
また、トーナメント戦によって負けられない戦いが続くので一人のピッチャーに負担がかかってしまいます。
そこで全日本学童や一部の大会を除いてトーナメント戦を廃止して、リーグ戦に統一します。
年間を通じて同じ地区で何度も戦うリーグ戦にすれば、負けても大丈夫な試合が生まれてきますし、日程の調整もしやすくなります。
終盤の消化試合では無理して行う必要はなくなるので、過密日程を避けられます。
県や全国に繋がる大会はトーナメント戦で行いますが、日程に十分な余裕を持たせる必要もあります。
終盤の消化試合では無理して行う必要はなくなるので、過密日程を避けられます。
県や全国に繋がる大会はトーナメント戦で行いますが、日程に十分な余裕を持たせる必要もあります。
大会を減らしても良い理由
ここまで大会数が増えてきたのにはわけがあります。
それは、多くの試合をこなして経験を積ませるためです。
しかし、現代ではSNSが発達し、簡単に他チームとの連絡が取れるようになった今、公式戦で実戦経験を積む必要がなくなりました。
より自由に試合日程を組むことができる練習試合で実戦経験を積めば良くなったのです。
実際に私達のチームでは年間で20試合ほど練習試合を行っています。
大会の試合数が少なければ30試合以上を組むことも可能なほど、対戦相手を探すのが簡単になっています。
試合数を減らすこと無く余裕のある日程で経験を積ませることは簡単になっているのです。
公式戦はチャレンジできない
公式戦では子ども達や親さん方の勝ちへの思いを背負ってプレイし、指導者も同じ気持ちで指揮をします。
すると、いつもと違うポジションを守らせたり、やったこともないようなプレイをすることができなくなります。
アウトにならないように消極的になったり、やってみたいプレイを試すこともできません。
練習試合ではそれができます。
セーフティバントをやってみたり、ダイビングキャッチやランニングスローを試してみたりと失敗を恐れずチャレンジすることができます。
私は負けたら終わりの公式戦よりも失敗しても大丈夫な練習試合を子ども達に多く経験させてあげたいです。
まとめ
去年は監督として6年生を見てきましたが、秋ごろになると肘の怪我をして試合に出場できない選手をたくさん見てきました。
殆どがエースと2番手ピッチャーの子です。
チームが強いほど試合が多くなり、勝ちへの思いも強くなります。
その負担はピッチャーとキャッチャーに掛かってくるのです。
球数を制限したところで根本的な解決には繋がりません。
球数制限よりも試合数制限や日程の見直しが先だと思います。
馬見塚 尚孝
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