現代野球では対戦相手のデータを分析して対策を練ることが当たり前になりました。
少年野球では対戦相手や配球などの細かなデータを取ることができませんが、自チームのデータから作戦や戦術を考えることができます。
私のチームでは感覚だけを頼って根拠のない打順や作戦を立てないようデータを活用しています。
今回はプロ野球やMLBなどのデータ分析(指標)を見本にした、少年野球のデータ分析をご紹介します。
データ入力するだけで簡単に結果表示
私はエクセルに入力し、マクロで結果を表示しています。
入力は打者と投手に分けて入力します。
打者21項目
- 打数・安打・二塁打・三塁打・本塁打・四球・死球・三振・犠打・犠飛
- 打点・得点
- 盗塁・盗塁死・併殺打・残塁
- 失策・守備機会・守備イニング数
- 得点圏打数・得点圏安打
投手19項目
- 完投・勝利・敗戦
- ホールド・HP・セーブ
- 投球回数・球数・対戦打者数
- 被安打・被本塁打・奪三振・与四球・与死球・被犠打
- 暴投・ボーク
- 失点・自責点
をそれぞれ入力すれば完了です。
一人あたり3分もあれば入力できますが、守備機会と失策の確認が少し大変です。
ダウンロードリンクを張っておくので興味のある方は使ってみてください。
使い方ガイドもついています。
学生向け
大人向け
Download − 試合結果入力(背番号).xlsm
※マクロを使用しているので有効にしてください。
※Macでのみ動作確認をしています。Windowsは未確認です。
プロさながらの指標分析
試合中にスコアを記入することは、どのチームも行っていると思います。
しかし、そのスコアを活用しているチームは少ないのではないでしょうか?
私のチームではスコアをエクセルに入力し、マクロで一覧表示できるようにしています。
その時にプロ野球やMLBで使われる指標を参考にしています。
有名なものでは打率、出塁率、長打率、守備率などから、最近良く使われるOPSも導入しています。
またマニアックなものではIsoD、RC27、BB/K、RFも参考にしています。
細かく見てみましょう
一般的な指標
テレビでも良く見られる言葉です。
打率
打率 = 安打 ÷ 打数
打率が高いほどヒットを多く打てる選手です。
少年野球では4割を超えると優秀なバッターですが、とりあえず3割以上打てるように頑張りましょう。
打率が高い人を打席が多く回ってくる上位の打順に持ってきてチャンスを作るようにします。
出塁率
出塁率 = (安打 + 四球 + 死球) ÷ (打数 + 四球 + 死球 + 犠飛)
計算がややこしいですが、塁に出る割合です。
出塁率が高い選手は安打と四死球で出塁してチャンスを作ってくれるので打率と同様に上位の打順でチャンスを作ってもらいます。
長打率
長打率 = 塁打 ÷ 打数
1打席の期待値です。
最大値は全打席ホームランを打った時に4.000になります。
長打率が高い選手ほど長打をよく打ち、チャンスを作ったり、ランナーを返してくれるので3,4,5番にします。
守備率
守備率 = (刺殺 + 補殺) ÷ (刺殺 + 補殺 + 失策)
守備に関わったうち、エラーをしなかった割合です。
打撃では有りませんが野手の指標として見ています。
少年野球ではポジションごとで守備機会に差が大きいので、あくまで目安として守備の正確性を見ています。
OPS
OPS = 出塁率 + 長打率
最近では当たり前のように使われており、打率よりも得点に関係性が高い指標です。
OPSが高い選手は得点力が高いので3,4,5番が向いています。
マニアックな指標
少年野球は個々の能力の差が大きく、得意不得意があるので一般的な指標では見えない選手の良いところがあります。
子ども達の得意分野を見るために、おもにMLBで使われているマニアックな指標も導入しています。
IsoD
IsoD = 出塁率 - 打率
四死球によってどれくらい出塁したかを見る指標で、選球眼がわかります。
打率は低くても2番や7,8,9番で出塁してチャンスを作ってもらいます。
RC27 (RC21)
計算方法は複雑なので気になる方は Wikipedia − RC27 を御覧ください。
RC27は特定の一人の選手9名で構成されたチームで9イニング試合を行ったら何点取ることができるかを表しています。
RC27は選手の得点に関する総合力が見られます。
BB/K
BB/K = 四球 ÷ 三振
四球と三振の割合です。
ボール球を振らない自制心とストライクゾーンを管理できているかを見ます。
RF
RF = (刺殺 + 補殺) ÷ 守備イニング数 × 9
アウトに関与した割合を示しています。
ポジションによってアウトに関与する割合が違うので同じポジションで見なければ意味がありませんが、同ポジションで見た時にはRFが高いほど守備範囲が広いく、多くアウトを取っていることがわかります。
以前、ファーストを守っている子が自分のエラーで負けるのが嫌で辞めたいと言い出した時に、その子が一番アウトに貢献していることを示したくて導入しました。
感覚だけでは根拠がない
たくさん塁に出てくれるから1番バッターにしたり、たくさん飛ばすから4番にしている指導者がいますが、本当にそれがベストな打順でしょうか?
四球が多くても盗塁や得点が少ない可能性は十分にあります。
飛距離があっても打率が低かったり、得点圏打率が少ない選手はいます。
もちろん試合をよく見て決めているので、それほど大きく間違うことはないかもしれませんが、データを使った方が正確です。
思ったよりも盗塁をしていたり、出塁率が多い選手は結構います。
まとめ
子ども達をより公平に見るためにデータ分析を採用しています。
また、データを子ども達に見せることにより、目標設定をしたり、自信をつけることができます。
データ入力に手間は掛かりますが、導入してみてください。
また、データを子ども達に見せることにより、目標設定をしたり、自信をつけることができます。
データ入力に手間は掛かりますが、導入してみてください。
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