2020/07/13

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少年野球で身につけるべき2つの野球力



私が少年野球の指導で意識していることが2つあります。

それは”作戦を考える力””作戦を実行する技術力” そして、それを身に付ける順番です。

野球はピッチャーが投げるまで試合が動かないため、時間に余裕のあるスポーツです。

そのため、どのような作戦を立てるかが大切です。

通常は監督が作戦を考えて選手たちが実行するわけですが、作戦を考える力がなければ監督の作戦を理解することはできません。

私は子供達が自分たちで作戦を立てることができるような練習を心がけています。

作戦を立てることができても作戦を実行する技術がなければ意味がありません。

作戦を考える力と作戦を実行する技術力を身につけることで中学、高校などでの野球に役立ってくるのです。


野球の作戦とはなにか?

野球には守備、攻撃、ピッチャーなどの作戦があります。

守備ではどのランナーをアウトにしようとしてどこに守るのか、打たれてボールが飛んだときにどのように動くのか、カットプレー、カバーリングなどです。

内野守備の作戦
  • ポジション
  • 連携プレー
  • ベースカバー
  • カットプレー

外野守備の作戦
  • ポジション
  • カバーリング

攻撃ではどのようにランナーを出すのか、進めるのかが大切になります。

送りバントやエンドランでランナーを進めてスクイズやエンドランでランナーを帰すなどが攻撃の作戦になります。

バッターの作戦
  • エンドラン
  • 送りバント
  • スクイズ

ランナーの作戦
  • エンドラン
  • 盗塁

バッテリーは緩急やコースを配球を考えることで打者を打ち取りにいきます。

試合中はイニングやアウトカウント、ボールカウントなどの状況、相手の動きを見てこれらの作戦を立てていきます。

普段からどのような作戦で戦うのかを考えていないといけないのです。


作戦を考える力を身につける方法

作戦を考える力を身につける方法を2つ紹介します。

  • ゲームの中で考えさせる
  • シュチュエーションを切り取って練習する

この2つを上手に行うことで考える力を身に着けます。


ゲームの中で考えさせる

ゲームとは試合のことです。

公式戦や練習試合でいきなり子供達に「自分たちで考えてやってみろ」と言っても難しいでしょう。

練習の中で紅白戦のようなゲームを多く行うことで多くの場面を経験することが出来ます。

私達のチームでは ”試合形式のバッティング練習” という名前でゲームを行っています。

練習方法は、まず2チームに別れます。(私達のチームは9人なので4人と5人に別れます)

ピッチャー、キャッチャー、空いている守備は大人が行います。

あとは通常の試合と同じで3アウトで攻守交代をしていき、区切りの良いところで終わります。

勝敗をつけることで子供達が集中してゲームを行うことができるようになります。

”試合形式のバッティング練習” の良いところは打席が多く回ってくることと緊迫した試合展開になることです。

人数が少ないので30分ほどのゲームで1人4打席か5打席回ってきます。

効率よく打撃練習と走塁練習と守備練習ができることがこの練習のポイントです。

ピッチャー、キャッチャーが大人なので簡単には点が入りませんし、加減してあげることで負けているチームが追いつけるような展開に持ち込むことが可能です。

このゲームを行う時の注意点は子供達の作戦に口を出さないことです。

その作戦が良くなさそうでもやらせてみます。

そうすれば作戦が良かったのか悪かったのかが結果で出てきます。

ピンチの場面で作戦が必要な時に、なにも作戦がなければ試合を止めて考えさせます。

思いつかなければヒントを与えて、必ず作戦を立ててから試合を再開します。

こうすることで作戦を考える習慣を身につけるのです。

そしてゲーム終了後には必ずゲームの反省をします。

良かったところ悪かったところを出して課題を見つけることで次の練習に活かしていけるのです。


シュチュエーションを切り取って練習する

ゲームの中だけでは作戦を考えることが難しいこともあります。

重要なプレーで絶対にできるようになってほしい場面の動きなどは集中的に行います。

シートノックが良い例で、シートノックは内外野のカットプレー、カバーリングの動きを重点的に確認できます。

ある程度動きが決まっているので機会的に動けばいいように思えますが、チームによって少しずつ動きが違うことがあるので作戦と言えます。

ランナー2,3塁の場面を作ってスクイズやエンドランで点を取りに行く練習をしたり、1,3塁での守備の動きなど特定の場面を作って練習することが大切です。

そして、練習の中では教えることよりも、間違っててもいいから考えさせると初めて遭遇する場面でも自ら作戦を考え行動できるようになるのです。


作戦を実行できる技術を身に付ける

いくら立派な作戦を立ててもそれを実行できる技術がなければ成功しません。

例えば、エンドランやバントで送る作戦を立ててもバットに当てる技術やバントの技術がなければ失敗に終わるでしょう。

作戦を立てる → 必要な技術を身に付ける の順に練習していくと子供達の理解が早まり技術練習にやる気が出ます。

ゲームや練習の中で作戦を選手たちが考えることで ”こうゆう練習をしよう” という考えになるのです。

”監督やコーチが作戦を考えて、それを試合で行うために練習メニューを考える”のようにやっていると選手たちはなんのためにやっているのかわからずやる気が出ません。

技術練習はどのチームでも必ずやっていますが、作戦を考える練習をやっているチームは少ないです。

ただ技術練習をするのではなく、作戦を考えてから技術を身に付けることが大切です。

このプロセスを意識するだけで選手の成長具合がぐっと上がります。

ぜひ試してみて下さい。

まとめ

少年野球で身に付けるべき2つの野球力と題しましたが、重要なのは作戦を立てる力です。

そして、作戦を立てた後に作戦を実行するために必要な技術を身に付ける練習をするという順番で練習することが必要です。

野球の練習をすれば技術は身につきます。

しかし、作戦を立てる力は身につきません。

意識して作戦を立てる場面を作ってみることで、子供達の理解が早まり練習効率が上がっていくのです。



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