アドラーの心理学とは
アドラーの心理学は「勇気づけの心理学」や「子育ての心理学」などとも呼ばれたりしており、ベストセラーとなった嫌われる勇気や幸せになる勇気などはアドラーの心理学を元に生きやすくする方法が書かれた本で、メディアにも取り上げられたことで有名になりました。
日本では近年、取り上げられるようになったので、新しい考え方なのかと思われがちですが、1930年代に精神科医 アルフレッド・アドラーによって生み出されました。
心理学には考え方の違いによっていくつかの種類があります。
代表的なものはフロイト心理学とユング心理学とアドラー心理学です。
フロイトとユングについては、ここでは触れませんが、元々、フロイトの心理学が主流であったところに異論を唱えたアドラーが別の考え方としてアドラーの心理学が生み出したのです。
認知論
認知論とは、簡単に言うと感じ方は人それぞれ違うという考え方です。
100人が同じ物を見たり、体感しても感じ方や考え方は、その人によって異なります。
それは、出来事を「独自の解釈」や「意味づけ」をして捉えているからです。
人はそれぞれ主観的に物事を捉えているというのが認知論です。
客観的に物事を見ていても、最終的な判断は自身の認知によって行われるというのがアドラー心理学の考え方です。
原因論と目的論
アドラー心理学の中で重要な考え方として原因論と目的論というものがあります。
原因論・・・人の行動はすべて何らかの原因によって決まる
目的論・・・何が目的でその行動をしたのか、何を達成したくてその行為に出たのか
アドラーの心理学は”その人がどうなりたいのか”に注目した目的論に基づいて考えられています。
例えば
うつ病と診断された場合、「職場の対人関係のストレスではないか」とか「残業が多すぎたのではないか」と過去に何らかの原因があった結果、うつ症状が出たのではないかと考えます。
目的論では、「疲れた身体を休めたくて、動かなくてもいい症状を発症した」とか「職場に行かなくても済むように起き上がれなくなった」などのように、起きた行動や行為によって達成できる目的がなにかということから、その人を理解しようとします。
アドラーが言いたいことは、人は必ずどこかへ向かっているということです。
人は未来の目的があって、行動を選択しているのです。
アドラーの心理学が「勇気づけの心理学」と呼ばれる理由が、この目的論にあります。
原因論では、過去の何らかの原因によって行動が決まってしまうので、過去は変えようがなく行動も変えることができないことになります。
しかし、目的論では、よりよい方向へ向かおうとするならば、それに向けた目標を設定すれば、行動は変えることができるのです。
アドラーの心理学は、未来の目標を考えることで人生を前向きに捉えることができる心理学なのです。
対人関係論
アドラー心理学の中で、指導者に必要な考え方が対人関係論です。
アドラー心理学では人生のあらゆる問題は、対人関係によってもたらされるとしていて、行動はそれを解決するために起こされます。
他社との対人関係には、次のような3パターンあります。
①師匠と弟子の関係
師匠が絶対的な権力を持ち、支配する。弟子は人格、考え方全てにおいて全面的に師匠に降伏する関係。
②教師と生徒の関係
知識など、部分的に教師が上の立場であり、生徒はそれを教わる。考え方や人格までは支配されない関係。
③友達の関係
①、②のような縦の関係ではなく、横の関係で、上が一方的に指導や支配をしたり、下が自分のなにかを捨てたりすることはない関係。
アドラー心理学では③のフレンドリーな関係が望ましいとしており、職場や学校、親子関係でも対等な友人の関係が好ましいのです。
また、アドラーは「教える」とは「相手が元々持っているいい所を引き出すサポート」と定義し、一方的な指導や支配したり操作することを否定しています。
日本では年功序列で年上や職場での先輩後輩のような師匠と弟子のような関係が一般的ですが、それでは対人関係に問題が生じやすい環境と言えます。
共同体感覚
対人関係論の中には共同体感覚というものがあります。
共同体感覚とは「誰かのために役に立ちたい」といったような感覚で、共同体感覚が薄い人は自分の欲求のみを満たそうとして、自己中心的な考えになり、良好な対人関係を結べないのです。
共同体感覚がしっかりと身に付けるためには、有益なライフスタイルを送ることが重要とされていますが、ライフスタイルは10歳までに決まるとされています。
ライフスタイル
アドラーの心理学では「行動はライフスタイルに沿って常に自らが選んでいる」という前提があります。
アドラー心理学ではライフスタイルは10歳までの生育環境や心身状態の影響によって形成されるとしています。
これは、幼少期の家庭環境や家族構成によってライフスタイルが決まってくるという考え方で、一度決まったライフスタイルを変えることは簡単ではないことを意味しています。
人は「自分はこれが人よりも劣っている」という感情を持っており、「劣っている部分を補おう」という優越性を求める気持ちも持っています。
劣等感を感じて劣っている部分を補おうとすることが成長ですが、劣等感を過剰に感じすぎることや、良好な共同体感覚が身についていないと、自己満足に走って悪いことをしたりしてしまうのです。
アドラー心理学ではライフスタイルは10歳までの生育環境や心身状態の影響によって形成されるとしています。
これは、幼少期の家庭環境や家族構成によってライフスタイルが決まってくるという考え方で、一度決まったライフスタイルを変えることは簡単ではないことを意味しています。
劣等感
アドラー心理学で重要な理論に劣等感と言うものがあります。人は「自分はこれが人よりも劣っている」という感情を持っており、「劣っている部分を補おう」という優越性を求める気持ちも持っています。
劣等感を感じて劣っている部分を補おうとすることが成長ですが、劣等感を過剰に感じすぎることや、良好な共同体感覚が身についていないと、自己満足に走って悪いことをしたりしてしまうのです。
まとめ
今回はアドラー心理学の考え方を簡単にまとめました。
人は目的があって行動しており、その目的はライフスタイルによって決まり、ライフスタイルは幼少期の環境によって変わってくるといった考え方です。
ですので、ライフスタイル形成に重要な生後から10歳まで、どのような環境に置かれているかが重要です。
アドラーの心理学は子育てに必要な考え方を持っているのでお子さんをお持ちの方には、一度読んでいただきたい心理学です。
次回は、”良好なライフスタイル形成の方法”や”子育てに役立つ考え方”を記事にしたいと思います。
人は目的があって行動しており、その目的はライフスタイルによって決まり、ライフスタイルは幼少期の環境によって変わってくるといった考え方です。
ですので、ライフスタイル形成に重要な生後から10歳まで、どのような環境に置かれているかが重要です。
アドラーの心理学は子育てに必要な考え方を持っているのでお子さんをお持ちの方には、一度読んでいただきたい心理学です。
次回は、”良好なライフスタイル形成の方法”や”子育てに役立つ考え方”を記事にしたいと思います。
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