叱るということ
よく、”怒る”と”叱る”は違うと書かれている記事を見ますが、私は同じだと思っています。
もちろん、”怒る側、叱る側”の立場であれば違う意味で使うかもしれませんが、”怒られる側、叱られる側”の立場では、ほぼ同じです。
では、辞書に書いてある意味を見てみましょう。
【怒る】
- 1 不満・不快なことがあって、がまんできない気持ちを表す。腹を立てる。いかる。
- 2 よくない言動を強くとがめる。しかる。
【叱る】
目下の者の言動のよくない点などを指摘して、強くとがめる。
辞書の意味もほぼ同じです。
どちらも怒っているのには代わりありません。
”怒る”に”叱る”の意味が含まれています。
叱り方にもよりますが、叱る時には感情的になって強くとがめてしまうことが多く、また、失敗した理由を追求することになるので、叱られている人は結局、怒られていると感じてしまいます。
叱られた時に反省して改善できるような大人の考えを持った子供であれば問題ありませんが、よく叱られている子供にそんな子はいません。
みんな、叱られて落ち込む、元気がなくなるだけではないでしょうか?
特に、9歳頃までの成長段階にある子には、存在が否定されている感覚になります。
それでは、積極的な行動が出来ず主体性も失われ、自尊心も育ちません。
叱ることで”立派な大人”になるために必要な要素を奪ってしまっているのです。
どうすればよいか?
子供がなにか悪いことをした時、失敗してしまった時、やる気のない時に怒ったり叱ったりしていませんか?
それは逆効果です。
それぞれ言い方があります。
感情的にならずに相手を思いやって接してあげることが大切です。
それぞれ言い方があります。
感情的にならずに相手を思いやって接してあげることが大切です。
やる気がない時
私がよく言うのは「怒られてやる気の出る奴は、最初からやる気のある奴」です。
見たままの意味で、やる気のない子をやる気にさせるために怒ったりしますが、それでやる気の出る子は、元々やる気がある子なので、やる気のない子にやる気を出させるために怒ることは意味のないことで、反対にやる気を無くすことが多いです。
やる気を出させたいのなら、やる気の出ることを言ってあげることが大切です。
やる気というのは、物事への好奇心なので興味を持たせることやワクワクするようなことを言ってあげたり、してあげるとやる気が出てきます。
例えば、練習を頑張らせたい時には「頑張って練習するとたくさん打てるようになるよ」のように”今、何をやれば将来どうなるか”を想像させます。子供はまだ未来を予想する力が乏しいので”今やっていることが未来に繋がる”ことを教えてあげると希望が持て、やる気が出てきます。
悪いことをしているとき
”悪いこと”とはなんですか?
法律に違反することはもちろん悪いことです。では、違反しなければ悪いことではないのですか?
”悪いこと”というのは主観でしかなく、人それぞれ感じ方が違うので必然的に”悪いこと”というのは人によってことなってきます。
それをまだ人生経験の少ない子供たちに押し付けるのは無理な話です。
だから教えていくのですが、教える方法が叱るでは可哀想ではないかと思います。
子供は何が悪いことなのかわからないので大人の思う悪いことを教えてあげる必要があります。
私は”悪いこと”とは「他人や自分を傷つける言動」だと思っています。
自分を傷つけるようなことはしてほしくないですし、社会の中で生活していくためには他人を傷つけるような言動をしてはいけません。
他人を傷つけるような言動をした場合には法律で罰せられるようになっていますし、みなさんが思う”悪いこと”も当てはまると思います。
悪いことをした子に対して叱って反省させようとすると、その子供は消極的になります。
プレイヤーは子供たちで指導者講習の話をした時に、押さえつけてしまうと悪い部分もいい部分も出てこなくなるという内容がありましたが、叱るということは押さえつけてしまうことになります。
そこで、悪いことをしている子供にはI (アイ) メッセージが有効です。
アドラーの心理学②でもご紹介しましたが、I メッセージとは自分の気持ちを相手に伝えることです。
自分を傷つけるようなことはしてほしくないですし、社会の中で生活していくためには他人を傷つけるような言動をしてはいけません。
他人を傷つけるような言動をした場合には法律で罰せられるようになっていますし、みなさんが思う”悪いこと”も当てはまると思います。
悪いことをした子に対して叱って反省させようとすると、その子供は消極的になります。
プレイヤーは子供たちで指導者講習の話をした時に、押さえつけてしまうと悪い部分もいい部分も出てこなくなるという内容がありましたが、叱るということは押さえつけてしまうことになります。
そこで、悪いことをしている子供にはI (アイ) メッセージが有効です。
アドラーの心理学②でもご紹介しましたが、I メッセージとは自分の気持ちを相手に伝えることです。
「それをされると困る」とか「それは嫌」や「それをしてもらえると嬉しい」みたいに子供の言動に対して自分の気持ちを伝えることで、自分がした言動で相手がどのように感じたかが理解できるのです。
日本人は感情を言葉で表現するのが下手で、態度で感情を表現してしまい、嫌なことをされたら”怒る”だけになってしまいます。
しかし、子供はなにに対して怒られたのか理解できず、存在否定されたと勘違いしてしまいます。
今の感情を”怒る”ではなく”伝える”で表現することが必要だと思います。
言葉の通じない3歳頃までは叱ることで「ダメなことをしているんだよ」と教えてあげることはできますが、言葉が通じる相手であれば言葉で感情を伝えてあげましょう。
日本人は感情を言葉で表現するのが下手で、態度で感情を表現してしまい、嫌なことをされたら”怒る”だけになってしまいます。
しかし、子供はなにに対して怒られたのか理解できず、存在否定されたと勘違いしてしまいます。
今の感情を”怒る”ではなく”伝える”で表現することが必要だと思います。
言葉の通じない3歳頃までは叱ることで「ダメなことをしているんだよ」と教えてあげることはできますが、言葉が通じる相手であれば言葉で感情を伝えてあげましょう。
失敗した時
失敗して一番悲しいのは本人だと思います。
悲しい時に怒られると自信がなくなり、自尊心が傷つけられます。芯のない人間になってしまいます。
失敗した時やうまくいかない時は、未来を考えられるようなサポートをしてあげましょう。
「今回の失敗を次しなければ大丈夫!」
人生の大切な時に大きな失敗をするのは困りますが、小さな失敗であればどれだけしても大丈夫です。失敗をしなくなることが成長だと思います。
そして、失敗しないようにするにはどうしたら良いかを一緒に考えてあげましょう。
「どうしたら上手くいくと思う?」と聞いてあげて、答えが見つからなさそうであれば
「AとBだとどっちがうまくいきそう?」のようにヒントを与えてあげます。
すぐに答えを教えてあげるのではなく、子供に考えさせて答えを導き出すことが指導です。
これは考え方を身につけることができるので、他に壁にぶつかった時に自分で乗り越えることができるようになります。
まとめ
叱ることは才能を潰すことだと思います。
子供たちが本来持っている才能を引き出し、伸ばしてあげることが教育であり、指導だと思うので、どうすれば子供のためになるかを考えることが必要です。
叱る必要がある場面はもちろんありますが、本当にそれが一番良い対応なのかを考えて接してあげないと、子供の成長を阻害することになります。
今回書いた例は、日常で起きる事象のほんのわずかでしかありませんが、応用できる考え方だと思います。
感情任せの指導ではなく、本当に子供のために必要な指導ができるようにしてほしいです。
0 Comments