ライフスタイル
前回はアドラーの心理学についてお話しましたが、その中でライフスタイルというものが出てきました。
アドラー心理学でのライフスタイルは行動を決定する要素とも言えます。
そして、ライフスタイルは”10歳までの生育環境や心身状態の影響によって形成されるとしている”ということでした。
この理論では10歳までの育て方が重要であり、子供の人生を左右する期間になります。
良好なライフスタイルを形成するために必要なことや、悪影響を及ぼす環境を例を交えながら説明します。
アドラー心理学でのライフスタイルは行動を決定する要素とも言えます。
そして、ライフスタイルは”10歳までの生育環境や心身状態の影響によって形成されるとしている”ということでした。
この理論では10歳までの育て方が重要であり、子供の人生を左右する期間になります。
良好なライフスタイルを形成するために必要なことや、悪影響を及ぼす環境を例を交えながら説明します。
過保護・過干渉
ライフスタイル形成への悪影響として過保護や過干渉があります。
過干渉は虐待の一種であり「保護者が我が子を一人の主体的な人間として認めず、その子供の意思や思考、自我の発達や自主性などを否定して、操り人形のごとく親の意のままにコントロールしようとすること」である。
過保護とは「子供の意思が尊重されすぎ過剰に欲求を満たそうとしたり、被保護者自身に責任のある状況下で責任を肩代わりし過ぎてしまうこと」である。
出典:wikipedia
自分の要望が全て受け入れられてしまうような過保護で甘やかされた環境では、「自分の望みは全て叶うのが当然だ」といった昔話の王様のような感覚になってしまい、「周囲の人間は自分に利益をもたらすべき存在だ」と考えるようになります。
そして、自分は他の人々に利益をもたらすことをしないので周囲から受け入れてもらえなくなります。
こういった理由で甘やかされて過保護に育った人間は、良好な共同体感覚を身につけることが出来ず、暴力的な態度やか弱さで自分の欲求を満たすようになります。
過干渉では親が子をコントロールしようとすることが問題です。
親は躾と思って子供の意思や行動を否定することが多く、子供が自主的に行うことに対して「やめなさい」、「これをしなさい」などの否定することで主体性のない人間を生み出しているのです。
そして、自分は他の人々に利益をもたらすことをしないので周囲から受け入れてもらえなくなります。
こういった理由で甘やかされて過保護に育った人間は、良好な共同体感覚を身につけることが出来ず、暴力的な態度やか弱さで自分の欲求を満たすようになります。
過干渉では親が子をコントロールしようとすることが問題です。
親は躾と思って子供の意思や行動を否定することが多く、子供が自主的に行うことに対して「やめなさい」、「これをしなさい」などの否定することで主体性のない人間を生み出しているのです。
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子供の接し方
子供は本来、無限の可能性を秘めています。
いいところをどんどん伸ばしてあげることが可能性を広げる手伝いになります。
反対に悪いところを潰していくような教育方針だと、悪いところだけでなく良いところまでもが潰れてしまうのです。
潰れてしまった良いところを元に戻すのは容易ではありません。
そんな良いところを伸ばす教育方法を紹介します。
自分で考える力を伸ばす
親の接し方や話し方で”自分で考える力”を育てることが出来るかダメにするが変わります。
例えば、「片付けなさい」「勉強しなさい」などの命令するような表現では子供が思考停止の状態に陥るため、考える力がつきません。
言われたことだけをやっていれば良いというような考えになってしまうため主体性も失われます。
言われたことだけをやっていれば良いというような考えになってしまうため主体性も失われます。
親は、子供が指示に従わなければ、更に強い口調で命令するでしょう。
そして、子供は怒られたくないために指示に従います。
これでは何のために片付けるのか、勉強するのかがわかっていない状態で、怒られないためにすることになります。
では、指示を出す人が怒らなければ指示に従うことはないのではないでしょうか?
必ずしも指示に従わなければならないということはないでしょうが、必要な時に指示に従えなければ、集団行動ができません。
なぜ片付けなければいけないのか、勉強しないといけないのかを考えさせる必要があります。
「だめ」「無理」などの言葉を使っていませんか?
だめ、無理のような言葉は子供に考える余地を与えないばかりか、子供の考えを否定するような表現になります。
短い言葉なので多用しがちですが、「だめ」と言われた子は自尊心を傷つけられ自信を持てない大人になっていきます。
子供はペットではなく人間なので言葉で説明すればわかります。
説明してもわかってくれない時は、親の都合だけで説明したり、子供が納得できないような理不尽な説明だったり、説明不足などです。
子供のために「それはしてはいけない」「ダメなこと」なんだと思える説明をしてあげて下さい。
それが説明できないのであれば「ダメ」ではないのではないですか?
それが説明できないのであれば「ダメ」ではないのではないですか?
I (アイ) メッセージ
子供を躾ける時に有効なのが”I (アイ) メッセージ”です。Iメッセージとは自分の気持を子供に伝えることで、相手の気持ちを分からせることに繋がります。
子供はみんな「悪いことをしてやろう」とか「傷つけてやろう」とは思っていません。
それでも大人から見て悪いことをする子は”自分が楽しいこと”をやっているからであり、本人は悪いことをしていると思っていません。
そこには相手の気持ちは含まれていないので、相手の気持ちがわかるようになれば、相手が喜ぶことをしてくれるようになります。
子供は親を悲しませるようなことや困らせるようなこと、嫌われるようなことをしたくないと思っています。
しかし、困らせるようなことをするのは困っていると思っていないからです。そこで I メッセージ の出番です。
「それをされるとお母さんは困る」とか「痛いことされると悲しい」などの自分の感情を子供に伝えてあげることで、子供は何をされたら嬉しいか、悲しいかがわかるようになり、嬉しいと思ってもらえることをするようになります。
嬉しい事をされた場合は「お母さん嬉しいな」や「ありがとう」の言葉を使うと、積極的に喜ばれることをしますし、自分が嬉しい事をされたら「ありがとう」が言えるようになります。
友達を叩いて泣かせてしまった時などの会話では「お友達はどんな気持ちだったと思う?」といったような質問をすることで、相手の気持ちをわからせ、考える力も育てます。
「なぜ?」の使い方
子育ての中では「なぜ?」や「なんで?」という言葉をよく使いますが、正しく使えているでしょうか?間違った使い方をすると子供の考える力を奪うだけでなく自尊心までもを失わせる可能性があります。
最もよく使われるのが ”なにか悪いことをした時” に反省させるような場合に使うと思います。「なんでそんなことしたの?」、「なぜ失敗したのか」なんて聞き方をすると思います。
これは、失敗した理由や変なことをした理由を聞きたいのだと思いますが、出てくる言葉は言い訳になるだけです。
「〇〇君が~」とか「ここにこれがあるのが悪い」みたいな他人や物のせいにするだけです。
これは、失敗した理由や変なことをした理由を聞きたいのだと思いますが、出てくる言葉は言い訳になるだけです。
「〇〇君が~」とか「ここにこれがあるのが悪い」みたいな他人や物のせいにするだけです。
これは”うまくいかなかった時”の「なぜ?」は子供を責めている言い方になるからです。
人は責められると自己防衛をするので、自然と自分は悪くないという理由を口にするのです。それでは聞いているこちらも不愉快ですし、なんの解決にもなりません。
「なぜ?」ではなく「どうしたらいい?」
「なぜ?」というのは ”過去に起きた行動への原因” を知るための質問ですが、「どうしたらいい?」という ”未来に起こす行動の対策” へ質問を変えると子供は、改善方法を考えます。
「どうしたらうまくいくかな?」という質問は子供の頭の中で ”なぜうまく行かなかった” かを考えさせ、うまくいく方法を引き出すことができます。
過去のことばかり振り返っていても前へは進めません。
後ろ向きな考えではなく、前向きな考えにさせることが重要です。
後ろ向きな考えではなく、前向きな考えにさせることが重要です。
「なぜ?」の正しい使い方
使い方の難しい「なぜ?」ですが、子供が積極的に ”なぜ?” と考えることのできる状況であれば有効です。
積極的に反省出来る状況とは ”上手く行った時” です。
上手くいった時に「なんでうまくいったのかな?」という問いかけをすることで、成功した理由を整理することが出来ます。
成功を1度きりのものにしないためには必要なアプローチとも言えます。
まとめ
人を育てるには様々な要素や環境が影響してきます。
周りの環境で最も影響力が大きいのが家庭環境です。
親がどのような接し方をするか、問いかけをするかで子供のライフスタイルに影響を与え、ライフスタイルがその後の人生を左右します。
しかし、誤ったライフスタイルに気づけば失敗のパターンを変えることが出来るので、ライフスタイルを知ることが大切です。
過干渉、過保護が問題になっていたのは私が子供の頃でした。その時から20年以上経っても何も変わらず、過保護、過干渉な親が多いです。
過干渉は虐待であることを忘れないで接してあげてほしいです。
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