2017/09/05

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試合中の声掛け


声の必要性

少年野球を見ていると必ずと言っていいほど聞こえてくるのが、監督やコーチの「声を出せ!」です。


本当に声を出す必要がありますか?

必要であれば声は勝手に出るもので、強制させられるものではないと思っています。

しかし、意識して声を出すことで良い効果はあります。

1.緊張が和らぐ

2.気持ちが盛り上がる

3.連携が取れる

他にもあると思いますが、今回はこれらについて触れていきたいと思います。


1.緊張が和らぐ

前回の打席での心理でも紹介しましたが、声を出すことで息を吐くことができるので緊張を和らげることができます。

バッターボックスに入る時に言う「さこーい!」のような声は緊張を和らげる効果があり、見ていても気持ちの良いものなので小学生にはオススメです。

この時も「打席に入ったら声を出せ!」と言って強制するのではなく、「声を出すと緊張しなくなるから、声を出すと良いよ」と言って声を出す、出さないを選択させてあげることが大切です。

2.気持ちが盛り上がる

目標を声に出して言うことで自分が何をしたいのか再認識することができ、どう動けばよいかが分かってきます。

気持ちの確認もできるので、目標に対する意識が強くなり気持ちが高まるので、良い結果につながりやすいです。

3.連携が取れる

試合中最も重要になってくるのが連携です。

ホームでアウトにすればいいのにファーストに投げてしまった、なんてことは少年野球ではよくあることです。

また、フライが上がった時に声が出せず”お見合い”をしてしまうこともあります。

試合中には常に声を掛け合って連携を取る必要があります。

声の種類

試合中、何気なく掛けている声ですが、意識してみると5種類に分けることが出来ます。

1.気持ちを高める声

2.仲間を励ます声

3.事前確認の声

4.インプレー中の声

5.野次、プレッシャーの声

1.気持ちを高める声

最初に紹介したように声を出すことで気持ちが高まります。
気合を入れたい時に意図的に出すと良い効果が得られるでしょう。

2.仲間を励ます声

バッターを応援するときや、アウトを取った時に「ナイスプレイ!」と言ってあげるような声です。
また、エラーをしてしまった時に「ドンマイ」、「次、次、切り替えていくよ」のような励ましの声を掛けてあげることでミスをした選手の気持ちをフォローして、再びエラーすることを防ぐことができますし、チームとしても気持ちの流れを取り戻すことができます。

小学生はまだメンタルが強くないので、エラーしてしまったらかなり落ち込みます。
元気がなくなってしまい次のプレーにも影響がでるので、気持ちを早く切り替えてあげることが短い試合で結果を出す方法だと思います。

これを子供たちだけでできるようになれば試合を楽しむことが出来ると思うので、早いうちに修得すると良いでしょう。

3.事前確認の声

私が勝つために一番大切だと思っているのが事前確認の声です。

事前確認の声とは、アウトカウントの確認、バッターの打順、どこでアウトを捕るのか、ゴロゴー、フライバックなどのプレーが起きる前にプレーを予測して落ち着いてプレーできるように準備することです。

ボールが飛んできてからでは、判断が遅くなってしまいますし、なにより間違ってしまうことが多いです。

少年野球では、捕ることで一生懸命なので考えている暇はありません。
事前にどこにランナーがいるのか、どこでアウトにするのかを確認することで落ち着いてプレーすることができます。

また、事前に起きるプレーを予測することで、野球を知ることができます。
野球は起きる確立の高いものから順に対策していくことで相手より有利に試合を進めていくことができます。

どんなプレーがどのくらいの確立で起きるのかを少年野球のころから予測することで、中学、高校ではより正確に予測できるようになると思います。

試合中のミスを防ぐためにも、予測力を付け野球を知るためにも事前確認を子供たちでできるようにすることが重要だと思います。

4.インプレー中の声

インプレー中の声とは、ボールが飛んだ時に「オーライ」と声を掛けたり、飛んだポジションを言ってあげることです。
また、ランナーに「ゴー」や「バック」と判断を教えてあげることも同様です。

オーライの声はお見合いを防いだり、衝突して怪我をしないためにも必要です。

際どいタイミングの場合は投げる場所を変えなくてはいけないので、判断の切り替えにも声を掛けなくてはいけません。

子供たちはまだ判断に自信がなかったり、プレーに一生懸命なのですぐには難しいですが、徐々に出せるようにしてあげると良いでしょう。

判断力を養うためにも大人が第一に声を出してしまうと、子供自身で判断ができなくなってしまうので、試合中に言い過ぎないことが大切です。

5.野次、プレッシャーの声

野次は仲間の士気をあげる効果がありますが、紳士であるべきなので野次はいけません。

しかし、こちらが大きな声を出すことで相手はプレッシャーを感じ、実力を発揮できなくなることがあります。

守備の時や打席に入った時に「さー来い」と大声で言ってあげると相手は怯んでしまうのではないでしょうか?

自分の気持ちを高めるためにも、相手にプレッシャーを与えるためにも声は有効な手段となります。

言い方で変わる

だた「声を出せ!」では、なんとなく出すだけになってしまい今回説明したような効果が薄いですし、意味のない「さこーい」としか言えません。

しかし、「声には5種類の役割があって~、こんな効果があるんだよ」と教えてあげることで自発的に声を出すことができるようになります。

私は練習中も試合中も「声を出せ」とはいいません。

しかし、勝手に声を出してくれます。

事前確認の声、インプレー中の声は野球を知らないと出せないのでまだまだこれからですが、自分たちで声を掛けて連携を取りながらできるようになっています。

監督、コーチがいちいち指示を出さなくても自分たちで全てできるようになっているので子供たちに任せています。

まとめ

今回は声の効果と種類について書きました。
監督を始めてから「声を出せ」と言いたくなかったので、なぜ声を出したほうがいいのかをずっと考えていました。

”やったほうがいいからやる”というのが子供に指導する上で大切なことだと思います。

次回は大人の声掛けについてまとめたいと思います。


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