最近、少年野球の盗塁を規制しようとする動きがあるらしい。
元々、アメリカ発祥のリトルリーグでは、盗塁は禁止されており、ボールがホームベース上を通過してからしか離塁が許されていません。
プロ野球などの大人は塁間が27.431mですが、少年野球は23m、リトルリーグの塁間は18.29mとかなり近くなります。
守備は捕って握り変えて投げる動作に時間がかかるので、どうしても塁間が近いほどランナーが有利になってしまいます。
プロ野球などの大人は塁間が27.431mですが、少年野球は23m、リトルリーグの塁間は18.29mとかなり近くなります。
守備は捕って握り変えて投げる動作に時間がかかるので、どうしても塁間が近いほどランナーが有利になってしまいます。
理由はキャッチャーの故障を守ることと、一方的な試合展開にしないため
盗塁規制の理由はキャッチャーの肘の故障を守るためです。
キャッチャーはピッチャーの次にボールを多く触る機会の多いポジションです。
また、盗塁時にセカンドに強くボールを投げる必要があるため、肘に負担が掛かります。
負担を減らすために盗塁を規制しようということですね。
チームに実力差があると必然的に”四死球で出塁→盗塁→得点”という展開になってきます。
盗塁を規制することで一方的な試合展開をなくし、子ども達に野球を楽しんでもらおうという狙いですね。
青栁 博文 葛原 毅
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盗塁から学ぶことは多い
私は盗塁規制には反対です。
理由は、これまで指導者をやってきて一番大切にしていることが走塁だからです。
走塁は鬼ごっこと同じ、ボールを持った鬼から逃げながらダイヤモンドを一周して点を取る。
野球を始めたばかりの子ども達にとって、走塁は誰にでも簡単に出来て楽しいものです。
打った時にしか走れなくなると野球の魅力は半減します。
相手がスキを見せたら次の塁を狙う。
野球の走塁の基本が小さな頃から学べるはずが、大きくなってチャレンジがしにくい中学生になってからでは得られないものが多いと思います。
”走れると思ったら走る、行けないと思ったら戻る”
この直感を小さな頃には大切にしてほしいです。
少年野球の盗塁は簡単だからこそいい
少年野球では盗塁が簡単にできます。
キャッチャーが捕球してからセカンドに到達するまでの時間は、大体の小学生が2.5秒掛かります。
2.3秒で投げられたら早いほうです。
2.1秒台で盗塁は難しいですが、県代表選手並なのでほとんどいません。
誰でも盗塁出来る機会なんて少年野球くらいしか有りません。
中学、高校とレベルが上がるに連れ、足の遅い子は盗塁が難しくなってきます。
だからこそ少年野球のうちに盗塁を経験させておきたいのです。
ちなみに、私は基本的には盗塁のサインをほとんど出しません。
バントもしません。
盗塁できると思ったら盗塁するように言っています。
なかなか勇気が出せず、盗塁できない子には、背中を押して上げるくらいのつもりで盗塁のサインを出します。
キャッチャーの故障は投げ方の問題
キャッチャーはピッチャーと同じ球数を投げているので、投げすぎではありますが、それよりも故障の原因は投げ方にあります。
捕ってから素早く投げるために、捕球した後に素早くトップ(耳の後ろ)にボールを持っていきます。
本来腕全体を上げて肘を肩と同じ高さに持ってこないと投げられませんが、未熟な小学生たちは、ボールだけをトップに持ってくるため肘が下がってしまいます。
肘が下がった状態で強くボールを投げようとするので肘を故障してしまうのです。
野球肘は指導者の責任
野球肘の原因は投げ方です。
投げる時に肘が下がっているとすぐに肘を痛めてしまします。
球速が70キロくらいの遅い子は、まだ肘に負担が掛かりませんが、80キロを超えてくると負担が掛かり野球肘のリスクが高くなります。
指導者が普段から肘の高さを注意して見てあげて、投げ方指導をしてあげなければいけません。
また、体が大きくて強い球を投げられるからと言ってピッチャーやキャッチャーにするべきでは有りません。
投げ方に問題がある子はピッチャー、キャッチャー、サード、ショートなど強いボールを投げるポジションでは守らせるべきではありません。
投げ方を修正する前に負担のかかるポジションを守らせて野球肘になってしまえば、それは指導者の責任と言えます。
一方的な試合にならないような配慮
少年野球では投手力や守備力が低いとすぐに大量失点をしてしまします。
その試合では悔しい思いをすると思いますが、自分たちの課題を見つめ直す良い経験だと思います。
悪かったところが見えやすい時ほど自分たちで反省させてみてはいかがですか?
トーナメント戦では負けたら終わりなので、控えの子を出したり、いつもと違うポジションを守らせたりするようなチャレンジができません。
リーグ戦のように負けてはいけないけれども、負けても次があるような場合は、多少のチャレンジができます。
大量の得点差で勝っている場合は、いつも出ていない子を出したり、ピッチャーやキャッチャーをやらせてみてもよいでしょう。
指導者がチャレンジできるような環境づくりが必要だと思います。
まとめ
子ども達を守ろうとしているのはわかりますが、なんでも規制が良いとは思いません。
怪我したくないのであればスポーツをやらなければよいのです。
野球を最大限に楽しめるようなルールや工夫で怪我防止、野球人口の増加に繋げられるようにしていきたいですね。
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