試合中の声掛けには”緊張が和らぐ”、”気持ちが盛り上がる”、”連携が取れる” などの効果があることをご紹介しました。
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少年野球を見ていると必ずと言っていいほど聞こえてくるのが、監督やコーチの「声を出せ!」です。本当に声を出す必要がありますか?必要であれば声は勝手に出るもので、強制させられるものではないと思っています。しかし、意識して声を出すことで良い効果はあります。
これは選手自身や仲間が出すことで得られる効果です。
監督やコーチのような立場の違う人間が、実際にプレーをしている選手と同じように声を掛けると効果が変わってきます。
言い方や内容によっては、悪い影響を与える場合があるので注意が必要です。
指導者の指示による影響
試合中は必要なタイミングで的確な指示を出す必要があります。
試合中の声かけは5種類に分けられます。
- 気持ちを高める声
- 仲間を励ます声
- 事前確認の声
- インプレー中の声
- 野次・プレッシャーの声
試合や練習で必要な声ですが、一歩間違えれば逆効果になることもあります。
選手同士のプレッシャーの声は冗談だったり、楽しい雰囲気を作り出してくれる場面もありますが、指導者のプレッシャーはただの重圧です。
選手と指導者では立場が違うことを理解しましょう。
監督が選手同様に声を掛けるとどのような影響があるかをまとめていきます。
気持ちを高める声
監督による具体的な指示は、メンタルトレーニング②で紹介した行動目標が明確になるため緊張を和らげることができます。
しかし、ひとつひとつの行動に指示を出して、選手は言われた通りに動けばいいような状況を作ってしまうと、選手たちは自分で考えて行動できなくなってしまうので、指示の出しすぎには注意しましょう。
仲間を励ます声
励ます声には悪い影響はありません。指導者や保護者が積極的に出すべき声掛けです。
特に子供は自分の親に認められることが一番の喜びです。
周りの目を気にして子供を批判するようなことはやめましょう。
良いプレイをしたら素直に褒めて、ミスをしても勇気づけてあげましょう。
決してミスを茶化すようなことをしてはいけません。
茶化された方は傷ついてしまいます。
事前確認の声
重要な場面で指示を出すことで試合を有利に運ぶことができますが、ここで監督が全てを言ってしまうと、子供たちは考えることができなくなりますし、言われたことをやっているだけになってしまいます。極力、選手達に任せて守備位置やアウトにする場所を決めさせる方が野球を知るためにも良いと思います。
勝つことだけが少年野球ではないので、判断ミスを経験させることで今後の野球人生に生きてくると思います。
インプレー中の声
少年野球では監督・コーチが大きな声で「ゴー」、「バック」、「バックホーム!」等の瞬時に判断する必要のある声を出しているところをよく目にします。もちろん一瞬の判断で勝敗が決まってしまうことがあるので重要な声ではありますが、指導者が子供たちよりも先に言ってしまうと、選手自身の判断力が身につきません。
大人が「ゴー」と言ったから走った。アウトになっても大人が言ったから自分の責任ではないとなってしまいます。
初めは遅くてもいいので、自分の判断で走ったり投げたりできるようにすることが大切です。
野次、プレッシャーの声
当然、野次を言うことやプレッシャーを与えるようなことは許されません。
子供は大人のマネをするので子供も気なしに言ってしまうので注意しましょう。
また、なんとなく掛けた声が味方の選手にプレッシャーを与えるようなことがあります。
大人のように多少プレッシャーを与えて緊張感を持った方が良い結果を出しやすかもしれませんが、子供はすでにプレッシャーに押しつぶされそうなほど緊張して試合をしています。大事な試合や場面では尚更です。
そんな中で更にプレッシャーを与えることは緊張を増すので力を出し切ることができません。プレッシャを与えるのではなく緊張を和らげるように「深呼吸!」と言ってあげて下さい。
まとめ
少年野球では勝ちよりも子供の成長を重視して、判断や準備を選手たちでできるようにしてあげることが大切です。
なんでもやってあげていると”やってもらうのが当然”になってしまいます。
指導者や保護者は選手を褒める声をかけてあげるだけで十分です。
失敗を許さない指導はやめましょう。
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