簡単すぎても難しすぎてもやる気が出ないので、少し難しいくらいが理想です。
初めてやることは何でも楽しいのでどんどん新しい練習を取り入れてみましょう。
選手のレベルや成長段階に応じた練習メニューの考え方をご紹介します。
野球だけではなくバレー・バスケ・サッカーなど他のスポーツにも応用できるので参考にしてみてください。
野球を始めたばかりの頃はゲームでルールを覚える
スポーツはルールを覚えることから始まります。
ルールを覚えなければ何をしてよいのかわかりませんし、何ができて何が出来ないのかもわかりません。
野球は細かなルールが多いので覚えるのが大変です。
すべて理解していなくてもプレーは出来ますが熟知していた方が有利に戦うことができます。
ルールを覚える方法は3つです。
- 座学でルールを学ぶ
- 試合を観戦してルールを知る
- ゲームをしてルールを覚える
座学でルールを学ぶ
1つ目は授業のような形でルールを学ぶ方法ですが、退屈です。
集中して授業を聞ける高学年以降でないと難しいかもしれません。
座学で学ぶルールは、実践や観戦では起きる可能性が少ない珍しいルールを学びます。
かと言って稀過ぎるルールは不要なので、たまにしか起きないけど起きた時に対応できるようにしておきたいルールを優先して学びます。
例えば、インフィールドフライとかアピールプレイ、打順違いのようなルールや、ストライクゾーンやフェアやファールなどのわかっているようでわかっていないことの確認です。
座学では作戦の確認もできるので定期的にしておきたいですね。
試合を観戦してルールを知る
試合を見ることで新たな発見があります。
プロ野球の試合でも高校野球でも問題ありません。
自分より年上の試合であればすべてが参考になります。
プロ野球では珍しいプレーが少なく試合展開が早くて単純なのでシンプルにルールを覚えることが出来ます。
高校野球などの学生野球はチームによって作戦に個性があるので見ていて面白いですし、作戦を学ぶことが出来ます。
少年野球の試合では珍しいプレーがたくさん見られるので、ルールを覚えるにはもってこいです。
今の何?ってことが多いのでルールに詳しい人と一緒に観戦することでルール博士になることが出来ます。
ゲームをしてルールを覚える
ゲームで覚えるのが一番手っ取り早くオススメです。
簡単なルールは説明しておいて実際にやってみる。
やってみてわからないことは教えてあげる・教えてもらうことでわからないことをなくしていきます。
聞いただけでは忘れてしまいますが、自分で体験したことはずっと忘れません。
ルールを熟知している人が必要ですが、子どもと一緒にルールを学ぶことも楽しみの一つではないでしょうか?
少年野球ではゲームを多めにして練習を楽しむことが野球を好きになることにつながると思います。
ルールがわかったら作戦を考えさせる
作戦を考えるのは選手達です。
野球では多くのチームで監督が作戦を考えて指揮を取りますが、それでは考える習慣が身につかないですし楽しくありません。
少年野球の頃は子供達に作戦を考えさせることで野球が理解できるので上達が早くなります。
そして作戦を考えることは野球の一番楽しい部分でもあります。
作戦会議の時間を作ってあげると考える力が身につく
ゲームをする前に作戦会議をする時間を作ってあげると自分たちでいろいろなアイデアを出していきます。
勝つことを考えれば監督が作戦を立てることが必要ですが、それは公式戦だけで良いと思います。
練習の中のゲームでは自由に考えてやらせてみる、何度も同じ失敗を繰り返しているようであればヒントを与えてみるといった過程が大切になってきます。
少々時間がかかりますが、必要な時間です。
全体練習でチームの作戦を確認する
全体練習では監督が考える作戦を確認できます。
全体練習の一例です
- シートノック
- ケースバッティング
- 投内連携
- バント処理
シートノック
中継プレイやベースカバーの確認、守備の連携を確認できます。
ここで全体的な守備の動きを確認します。
ケースバッティング
バントやエンドラン、盗塁などの作戦やサインの確認をします。
野球を始めたばかりではエンドランやバントがわからないと思うので1度はやっておいたほうが良いでしょう。
投内連携
投内連携はピッチャーを含めた守備練習です。
ピッチャーのベースカバーや周りの動きの確認です。
少年野球ではピッチャーがベースカバーに入ることが少ないので必要ないかもしれません。
バント処理
少年野球では送りバント・スクイズをしてくるチームが多いのでやっておきたいですが、バント処理は小学生には難しいプレーでもあります。
ピッチャーとサード・ファーストのダッシュやセカンドショートのベースカバーの動きの確認が主になります。
ちなみに私のチームは全体練習をほとんど行いません。
理由は子供達自身で作戦を考える力を身に着けてほしいからです。
試合で出来なかったり作戦を理解していない時に1度だけやります。
実践でやってみようという方針です。
身体能力を上げる
小学生は運動神経が一番伸びる時期です。
- 瞬発力
- 持久力
- 動体視力
- バランス
- リズム感
- 反射能力
これらは9歳までに身につきます。
この時期に野球の技術ばかりすることはもったいないことです。
身体能力が上がれば必ず野球も上手になりますし、教えてもらったことを実現する力が身につきます。
練習メニューの一例をご紹介します。
瞬発力
主に下半身を鍛えるトレーニングになります。
例) ダッシュ、ラダー、ボックスジャンプ、縄跳びなど
持久力
野球は瞬発力のスポーツですが冬場など怪我防止のために必要なトレーニングになります。
例) マラソン、ポール間走、インターバル走など
動体視力
球技では重要なトレーニングになります。特にボールに慣れていない子には多めにやって上げましょう。
例) ボールを避ける練習、ボールに書かれた数字を見る練習など
▼参考になる練習
動体視力はスポーツに欠かせない能力になります。野球で言えば、ボールを目で追う、見極める、予測するなどがあります。球技以外の空手や剣道なども相手の動きを見て判断して、避けるなどに必要となってきます。動体視力はいつ頃、身につくものなのでしょうか?
バランス
バランス感覚が身につくことで下半身が安定してバッティング、ピッチングが上達します。バランスの練習では体幹も身につきます。
例) 平均台、片足立ち、バランスボードなど
リズム感
リズム感がよくなればバッティング、ピッチング、守備、走塁全てによい影響があります。
リズムを体で表現することで動作に連動性が出てきます。
例) リズムジャンプ、ダラーなど
▼参考になる練習
コーディネーショントレーニングという言葉を耳にしたことはあるでしょうか?コーディネーショントレーニングとは、運動能力を高めるために必要な7つの要素を運動に取り入れることで、効率よく運動神経を鍛えるトレーニングのことです。
反射能力
ボールや人に速く反応するために反射能力を高めます。
例) アジリティトレーニングなど
これらの身体能力を伸ばすトレーニングは長くやる必要はなく、日替わりで少しずつやるのが効果的だと思います。
1つの能力のレベルを100にするのではなく100個の能力のレベルを1つづ上げていくイメージです。すると100個目のレベルが上ったときには連動して他の能力のレベルも1以上になっています。
野球の技術を磨く
野球の技術とは....
- ボールを捕る技術
- ボールを投げる技術
- ボールを打つ技術
- 走塁の技術
これらは野球ならではの技術です。
ボールを捕ったり投げたりする技術はキャッチボールをすれば習得できます。
スポーツの技術とは道具を上手に使う技術や相手の動きに合わせた体を動かす技術になります。
技術の取得方法には大きく分けて2種類あります。
- ボールを使わないで正しい動きを身につける
- ボールを使って正しい動きが自然にできるようにする
ボールを使わないで正しい動きを身につける
ボールがあるとどうしても自分の動きよりも結果を気にしてしまいます。
何度もボールを捕ったり投げたり打ったりを繰り返すことでコツを掴み技術は身についていきます。
身体能力が9歳頃までに身につきやすいのに対して、これらの技術は何歳になっても身につきます。
なんなら身体能力が高ければ高いほど技術は身につきやすいです。
ということは技術練習ばかりしていても効率が悪くなってしまうということです。
身体能力以上の技術は身につかない
よくピラミッドで例えられますが、私のイメージは鏡餅ですね。
身体能力の上に技術が乗り、その上に連携や作戦などのチームプレーが乗っているのを想像してみてください。
身体能力が低ければ上に乗る技術は安定せず身につきませんが、身体能力が高ければ技術はどんどん身についていきます。
少年野球で技術練習ばかりして野球が上手になっても中学、高校に進んで身体能力の高い選手に勝てないといったことはよくあります。
もちろん技術練習の中で身体能力も身についていきますが、身体能力を伸ばす練習と比べたら効率が悪くなります。「今日はこの能力を伸ばそう」といった具合に専用の練習をしましょう。
成長期は身体能力を重視する
運動神経が最も伸びる6歳から9歳、12歳頃までは身体能力を伸ばす練習を重点的に行うことで、身体能力が伸びにくくなった時期にはすでに大きな土台が出来上がっています。
また、20歳を超えると身体能力は身につきにくく衰えていくようになるので、20歳までにどれだけ身体能力を磨くかが鍵となります。
それに比べて技術は後からでも身につきます。
もちろん野球の試合に出る以上は技術がなければ失敗や負けを多く経験することになり、楽しさが半減するのである程度は必要ですが、その悔しさをバネに技術を伸ばそうと練習しなければいけないのは選手本人です。
指導者が練習メニューを考える時は結果にだけこだわるのではなく、10年後、20年後を見据えて年齢やレベルに合わせた練習をしてあげることが大切です。
まとめ
指導者が練習メニューを決めている場合はそれぞれの成長に合わせたトレーニングメニューを考えてあげることが大切です。
小学生は身体能力を伸ばすトレーニング中心で特に瞬発力を磨きます。
中学生から高校生までは瞬発力に加え、持久力、筋力も身につけていきます。
身体能力が高ければそれだけ後から技術が身につきやすくなるのです。
焦って技術練習ばかりするのは無く、まずは身体能力を伸ばしてあげることを考えましょう。
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