人生の主役は誰か
その人の人生の主役は本人です。
自分の人生での主役は自分でしかないのです。
それは、自分もそうですし、他の人もそうです。
子供も例外ではありません。
生まれた瞬間から人生の主役となっているのです。
野球をプレーする中で主役は誰でしょうか?
それはプレイヤーの子供たちです。
決して、それを見守る大人たちではありません。
これは、指導者講習の「指導者の役割Ⅰ」でも取り上げられる内容です。
スポーツは自らの意思で自由に行うものであって、誰かに強制されるものではない。実際にプレーするのは指導者ではなく、プレイヤーである。指導者はあくまでも脇役であって、主体はプレイヤー、「Players First」であるという、指導者としての共通認識を持つべきである。
引用:スポーツリーダー兼スポーツ少年年団認定員養成テキスト
指導者や親になると子供たちが自分の思い通りに動かなかったり、自分の経験から子供にかつでの自分を重ね、口を出しすぎてしまうことがよくあります。
これでは、子供たちの自主性や主体性、考える力が育たないばかりか、野球が楽しくなくなることもあります。
好きで始めた野球が嫌いになることは悲しいことです。
必要なのはコーチング
「コーチング」と「ティーチング」は一度は耳にしたことのある言葉ではないでしょうか?
ティーチングはやり方を具体的に指示する教え方です。
コーチングは考えを引き出しながら自分にあったやり方に気付かせる教え方です。
子育てに必要なのはコーチングです。
もちろん場合によってはティーチングをしなくてはならない時もありますが、ティーチングでは考える力が育ちません。
言われたことをやるだけの人間になってしまいます。
コーチングでは考えを押し付けることなく、子供の考えを引き出し、自ら気づくことで考える力を養います。
野球も同様です。
指導者の経験を一方的に押し付けることによって、野球は上手くなるかもしれませんが、考える力がつきません。
自分自身で上手くなる力も付きません。
「指導者の役割Ⅰ」の中にコーチングの基本的な理論が乗っていましたので一部を引用して見ていただきたいと思います。
「気づき」が起ると、人は自発的に行動し始める。自発的な行動が、潜在能力を発揮させ、目標の達成を可能にする。これがコーチングの基本的な理論である。そして、その理論に基づくマネジメントは「個人のいいところだけをピックアップして、伸ばして行く」ことが基本となる。「人は押さえつけなければ色々なことをする。その中からいいところだけをピックアップしていけば潜在能力を発揮させる可能性が高くなる」という心理学の理論に基づく考え方である。逆に、押さえつけられると怖くなってしまい何もしなくなるので、いいところも悪いところも出てこなくなり、いいところをピックアップすることもできなくなってしまうのである。
引用:スポーツリーダー兼スポーツ少年年団認定員養成テキスト
気づかせることで自発的に行動し、自ら目標の達成に近づいていくことが大切で、指導者が目標まで導いてあげることは必要なく、気づきのきっかけを問いかけで起こしてあげる必要があるということです。
また、押さえつける(押し付ける)ことで、その人のいいところまでも押さえつけることになるということ。
指導者や親が無理に悪いところをなくしてあげようと思って意見を押し付けてしまうといいところもなくなってしまいます。
いいところを伸ばしてあげると悪いところも伸びてくることもありますが、もっといいところを伸ばしてあげると、自分で悪いところをなくしてくれます。
指導者や親にできることは気付かせてあげること、いいところだけを伸ばしてあげること、悪いところを摘もうとしないことです。
つい悪いところに目が行きがちですが、子供の良いところを探してあげることが重要です。
いいところを褒めてあげると楽しく野球ができると思います。
指導者にできること
野球が上手になるために頑張るのは子供たち本人ですが、頑張れる環境を作るのは指導者です。
「頑張らないやつはやる気がない」のではありません。
やる気の出る環境ではないのです。
その環境は指導者や親が作っているはずなので、やる気がでるような指導、練習、対応をしてあげると自ら頑張ってくれると思います。
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